UXデザイナーのリアルな実態|業務内容から年収までわかりやすく紹介

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UXデザイナー自体が少ないため、リアルな実態はあまり知られていない。

「UXデザイナーになりたい。」

「UXデザイナーってどんなことをやっているの?」

「UXデザイナーに依頼をすると、かなり高い請求がきた。」

・・・などという質問を良く受ける。

ここ数年で一般的にも認知されてきたが、まだまだIT界隈や外資系企業、感度の高いビジネスマンに知られている程度だろう。

この記事では、UXデザイナーが各職場(デザイン会社や事業会社など)でどのような業務を行っているのか、元Goodpatchデザイナーに協力のもと、紹介していく

この記事でわかること

  • UXデザイナーの年収がざっくりわかる
  • UXデザインのアウトプットや単価感がわかる
  • UXデザイナーに求められることがわかる

※もっとUXデザイナーに関する、より良い記事にしていきたいので、こういう情報が欲しいというものがあれば、コメントや『問い合わせ』にて質問などをしてもらえると幸いだ。

UXデザイナーの業務内容を詳しく解説

UXデザイナーとは?という説明を書いても非常にわかりづらいため、実際のUXデザイナーが何をしているのか具体的に紹介していきたい。

まずは、UXデザインを依頼したい人や、これからUXデザイナーとしてどのようなキャリアアップをすればいいか考えている人に対して、『受託系の会社』『事業会社』『フリーランス』に分け、それぞれどのようなUXデザインをしているのか、代表的な会社やそのアウトプット、単価感を紹介していきたい。

受託会社(デザイン、コンサルなど)のUXデザインと単価感

UX向上に寄与しやすい『型』をクライアントに販売するイメージだ。

これから紹介するUXデザイン会社は、以下のような『型』を販売している。

・IDEO:デザイン思考自体を販売&インストール

・Goodpatch:デザインチームを販売

・アルチェコ:得意なことを切り分けて販売

それでは、それぞれがどのような会社で、アウトプットをしているのかを紹介していく。

IDEO:「デザイン思考」の産みの親

(参考:https://www.ideo.com/jp

世界有数のデザインコンサルティング会社として名だたる企業をクライアントに、数々のプロジェクトを成功させてきた超一流の先駆者だ。

創業者ティムブラウンは、デザインは人間にどう役立つべきか?を問い続け「今以上にプロダクトやサービスが人間中心で考えられるべきだ」と提唱し、デザインというフィールドで世界をリードしている。

【事例】

アップル初期のマウスデザイン、PowerBookDuo(参考)のドッキングシステム、マイクロソフトの2ndマウスのデザイン、主要な顧客企業としてProcter & Gamble(P&G)、ペプシ、マイクロソフト、Eli Lilliy、他多数

 

Goodpatch(グッドパッチ ):日本初UI/UXに特化したデザイン会社

(参考:https://goodpatch.com/

2011年、日本初UI/UXに特化したデザイン会社としてスタート。

様々なスタートアップや企業のプロジェクトにデザイン戦略フェーズから関わり、結果を残してきたUI/UX領域における日本を代表するリーディングカンパニーである。

特筆すべきは、各企業の経営戦略フェーズにデザインチームをコミットさせ、ユーザー思考とビジネス思考のバランスをとりながら、売れるサービスを企業と共に作り上げて成果をあげていることだ。

IDEOと同様にデザイン思考や、Google Venturesの提唱しているデザインスプリント(短期間で集中的にプロダクトを開発するフレームワーク)でユーザーニーズを抽出し、クオリティの高いUIデザインをアウトプットしている。

【事例】

Gunosyアプリ、Money Fowardアプリ、JINS MEME、コミックDAYSアプリ、リンクアンドモチベーション「モチベーションクラウド」、東急ハンズ「セミセルフレジ」他多数

 

ARCHECO(アルチェコ):ビジネスの成果にコミットするUX/UIを

(参考:https://archeco.co.jp/

アルチェコは”人間中心設計専門家”が多く、UXデザインの学術的知見など専門性が豊富な日本を代表するUIUXデザイン会社だ。

アプリやWebだけではなく、IoTデバイス、ウェアラブルデバイス、空間デザインなども手掛けている点が大きな特徴だ。

「ビジネスの成果にコミットするUX/UIを」というビジョンを掲げ、本質の追求のみならず実存的価値の創造をも両立するクライアントのパートナーであることを目指し、ビジネスの成果にコミットすることを強みとしている。

【事例】

mixiゲームアプリ、Rakuten Musicアプリ、KDDI「auSTAR」、広島銀行決済アプリ、群馬銀行決済アプリ、トランス・コスモス「医師向け電子カルテ管理アプリ」、他多数

 

事業会社のUXデザインと単価感

ユーザー体験の最高責任者としてジョインすることが多く、求められるスキルセットや役割は各企業によって様々だ。

事業や会社が異なれば”まるで違う”のだが、プロダクトやサービスに求められていることは共通している。

ユーザーが「サービスを認知し脳細胞が発火した瞬間」から、「サービスを忘れてしまうまで」の間、サービスに関して脳内で発生するあらゆる記憶と感情、その全てを”いい感じ”にすることが求められる

全てを”いい感じ”にするために、サービスとユーザーの接触面すべてに携わらなければならない。

経営層、事業戦略、デザイン、マーケ、PR、CSなど、すべてのチームに横断的に顔をだし信頼を勝ち得てお互いを繋ぎ、サービスをの底上げをしていく力が重要だ。

もちろん、デザイナーとしてのアウトプットがセットで求められることがほとんどだが、それだけに追われてしまうことはあってはならない。

余談になるが、私はUXデザイナーとして『UXデザイン会社』、『事業会社』、『フリーランス』などを経験してきたが、事業会社のUXデザイナーほど社内政治や発信、巻き込み力などのビジネススキルが求められる立場は無かった

「結果」を出すためにあらゆる手段を試しながらUX向上のプロセスを進めることができるが、結果が出なければ、やれることはどんどん少なくなっていく点が非常に厳しい。

日本でこの役割を担えているUXデザイナーは、まだまだ数少ないが、これから更に必要とされるだろう。

【優秀なUXデザイナーを抱える代表的な企業】

LINE、ピースオブケイク、クックパッド、Japan Digital Designなど

【単価感】

年収/650万〜1,100万程度

フリーランスのUXデザインと単価感

通常のデザイナーよりも高単価であるため、UXデザイナーを固定費として抱え込むのは資金的に余裕のある会社でない限り難しい

そこで求められるのが『フリーランス』のUXデザイナーだ。

新規事業の立ち上げやスタートアップにジョインするケースが多い。

このクラスになると逆指名が基本となるため、UX界隈でそこそこ名前が知れているか、実績豊富な人が対象となることが多い。

最近では特に、ユーザーニーズを汲み取ってサービスに落とし込むだけでは力不足と判断されるケースが多く、売り上げやKPIの達成にコミット出来る可能性の高い人材が求められている

雰囲気だけでUXを語る時代は終わったと言っていいだろう。

現段階ではかなり希少性の高い人材だと言えるが、これから企業がこのような形態でUXデザイナーを雇用するケースは増えてくるだろう。

【事例】

深津 貴之(piece of cake CXO・THE GUILD代表)、他

【単価感】

1人月/200万〜

 

『受託系の会社』『事業会社』『フリーランス』の3つにわけて、それぞれ活躍している会社やアウトプット、単価感、求められる役割を紹介してきた。

ここからは、UXデザイナーになりたい人や、これからのステップに悩む人向けに具体的な年収や副業収入などを紹介していきたい。

UXデザイナーの年収は?副業の収入も公開

まずは、実際のUXデザイナーの年収をもとに、リアルに解説していく。

※会社や年次によって、ある程度幅があるのはご容赦願いたい。

各職種ごとの年収は以下のとおりで、右上ほど高くなるというイメージだ。

 

具体的な金額イメージは以下のとおりだ。

  • UIデザイナー / 350万〜700万円程度
  • UXデザイナー / 550万〜1,000万円程度
  • UX・UIデザイナー / 650万〜1,100万円程度
    └UXデザインを通じて体験設計〜実際の落とし込みまで一気通貫してアウトプットできる
  • CXOやCDOなど / 800万〜1,300万程度
    └経営に対して責任を持ちながらユーザー目線に立つ器用さが求められる。さらに、サービスに関わるメンバー全員の意識をユーザーに向ける牽引力を合わせもつ。
  • UXエンジニア / 700万〜1,100万程度
    └UXデザインを通じて体験設計〜実際のエンジニアリングまで一気通貫してアウトプットできる
  • UXコンサルタント / 500万〜2,000万程度
    └営業力次第だが、かなり未知数だ。

一般的なデザイナーよりも高度なビジネススキルが求められるため、年収は高い。ステップアップを望む人には是非チャレンジしてほしい。

UXデザイナーになるには?

UXデザイナーはグラフィックデザイナーとは異なり、絵を描いたり、洋服を作るわけではない。

おさらいになるが、UXデザインとは、特定のユーザーの体験がより良い体験(UX)となるように設計(Design)するということだ。

※詳しくは、以下の記事を参考にしてほしい。

UXデザインとは?すべてのビジネスマンが正しく理解すべき全知識

ここからは、UXデザイナーになるために、どのような学習が必要なのかを解説していくが、まずは、学歴から紹介していきたい。

UXデザイナーになる人の学歴イメージは以下のとおりだ。

  • デザインの専門学校卒業:20%
  • 四大卒(文系/理系問わず):20%
  • 美大卒:20%
  • 高卒・高専卒:20%
  • その他:20%

UXデザイナーは、デザイン学校を出ていない人が活躍しているケースも多く、必ずしも”デザイン”を学んでいない。つまり、特定の大学や専門学校を出ている必要はない

UXデザイナーになるためには、以下の3つの要素を身につけておくことが重要で、それは一般的に言われる”デザインスキル”とは異なるものだ。

① デザインをビジネスの手段と考える

UXデザインにおいて、デザインはビジネス上の目標を達成するための手段でああり、そこにデザイナーとしての自己主張が入る余地はほとんどない。

 

② チームで成果をあげることへの意識

Webデザイナーやグラフィックデザイナーなど、外見的なデザインは1人で出来てしまうことも多い。

一方で UXデザインの仕事は、一人で作業する時間はほとんど無い

例えば ユーザーと対話したり、プロダクト責任者と議論したり、エンジニアとプロトタイプを作ったり、マーケターと顧客獲得のための設計を決めたりと、誰かと一緒に仕事をしている時間が圧倒的に長い

ディレクターのように動けるビジネススキルやサービスへの熱量が重要だ。

 

③ 結果で評価されることへの意識

Webデザイナーはデザインを「納品して完了」ということが多いが、 UXデザイナーはデザインが出来てからがスタートになる。

コンバージョン率が悪ければ、ユーザーを含めた様々なステイクホルダーと議論し、改良を加えていく必要がある。

Webデザイナーは作品の見た目で評価されるが、 UXデザイナーはプロダクトを通したビジネス上の結果で評価される点が大きく異なる。

    

以上の学習を効率的に学べる代表的な学校を紹介しておこう。

以下の学校で学習した卒業生は優秀なUXデザイナーが多い傾向があるので、興味がある方は是非チェックしてみてほしい。

慶応メディアデザイン千葉工業大学多摩美術大学など

UXデザイナーはこれからもっと需要が増していく

最後に、これからUXデザイナーを目指す人、UXデザイナーとしてステップアップしたい人の中には「UXデザイナーをこれから目指したいが、将来性が不安だ」という方もいるだろう。

結論から言うと、UXデザイナーは10年後、20年後も必要とされる職業であると断言しておきたい。

数値化できない”感情”はAIでは代替できない

事業をビジネス・システム・ユーザーの3つの領域に分けた場合、ビジネスとシステムのモデル手法は発達しているため、複雑な構造もモデルを通じて把握・検討することが可能だ。

技術や需要が飽和してくると、大して変わらない製品が市場にたくさん存在することになるため、(ユーザーは)「好きだから」、「こだわりがあるから」、「ブランドに対して特別な思いを抱いているから」という”感情”で選ぶことになる。

選択の決め手となる理由を製品やサービスに組み込もうとしたとき、機能の向上だけで実現することは困難だ。

つまり、モノとヒトの間に生まれる知覚をすべて良好にすることに、勝負が移ってきているということだ。

サービスに対するユーザーそれぞれの”感情”を数値化することは難しいため、AIによって奪われる仕事とは対極にあると言っていいだろう。

これから先、より重要度が増し続ける仕事であることは間違いないと確信している。

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